皆さんは普段シャドーイングはされていますか??
語学力の上達に近道は無いと言われていますが、効率的に向上させる方法を一つ上げるとしたら、まさしく「シャドーイング」こそが最も効果的な方法であると言えるでしょう。
今回は、
シャドーイングって何?
シャドーイングの効果って実際どうなの?
オススメのシャドーイング教材は?
の3つについてお話していきたいと思います。
シャドーイングって何?
シャドーイングとは、シャドー(SHADOW)、つまり影という言葉から来ています。
ネイティブスピーカーなどの音声を聞き、聞いた内容をそのままオウム返しのように復唱する発話訓練法です。この聞いた内容をすぐに影のように追いかけるところからシャドーイングという名が付けられています。
中学、高校時代に英語の授業などでやったことがあるという方も多いのではないでしょうか?
このシャドーイングのポイントは「聞いた内容を理解しようとしない」「聞こえたとおりに復唱する」というものです。
内容を理解することが求められていないのは、内容に集中してしまうとネイティブスピーカーの発話の速度に追いつけないから、また、このトレーニングの目的が文法の理解ではなく、「音の理解」であるからです。
それでは、シャドーイングの効果を見ていきましょう。
シャドーイングの効果って実際どうなの?
シャドーイングが語学学習において非常に有効だとされているのは、ネイティブスピーカーの発話の速度、イントネーション、間の取り方やリズム、声の強弱などを一気に習得することができるからです。
実は言語習得の根本はこのシャドーイングにあるとも言われております。例えば赤ん坊が親から言葉を学ぶとき、いちいち文法や内容を気にしていませんよね。まずは聞こえた言葉をそのまま口に出してみる、そこで親子間に意思疎通が成立したときに赤ん坊は初めて自分が発した言葉に意味を見出しているのです。
つまり、このシャドーイングは最も原始的かつ、効率的な言語習得法なのです。
次に、シャドーイングで実際に身につく力を詳しく見ていきましょう。
リスニング能力の向上
シャドーイングの基本はまず何も見ずに音だけを聞いてそれを復唱することです。当然、最初のうちはボキャブラリーが少ないがゆえに聞き取れない単語があるでしょうし、知っている単語だとしてもネイティブスピーカーの発話速度では聞き取れないことが多々あるかと思います。
また、日本語をベースに音を聞いてしまう以上、「この音はこう聞こえてくるハズだ」という潜在的な固定観念もあるのです。
それをシャドーイングで何度も繰り返し「音声を聞く」→「復唱する」→「実際に何と発話されていたかを確認する」というサイクルを行うことで、自然と耳が正確に音をキャッチしてくれるようになるのです。
さらに、ネイティブスピーカーが発話のリズム上とても小さいボリュームであったり、言っているのかどうかも判別できないくらいの速さ(実際に発音していない場合も)での発話も、脳が勝手に補完してくれるようになるのです。
スピーキング能力の向上
「文法はものすごく得意だけど会話になるとなかなかしゃべれない」「頭の中で文章を組み立てるのに時間がかかってしまい会話のキャッチボールができない」
語学を学習するうえで誰しもぶつかる壁ではないでしょうか?
人間が思考し、言葉を発するまでにはいくつかのプロセスが脳内で行われています。その中に「統語処理段階」という、発したい内容に合わせて自分の脳の引き出しから最適な文法や語彙を選び出す処理があるのですが、このプロセスこそ日本人が苦手、あるいは時間がかかってしまう傾向があるといわれています。
このプロセスの処理速度を上げるために効果的と言われているのが、まさにシャドーイングなのです。
シャドーイングには「統語プライミング効果」というものがあります。
これは、人間は事前にある文構造(例:我要去圖書館看書)を脳内に与えられた状態で、「他要去…」という文のきっかけを与えられると、直前に脳内処理した文章と同じ構造のものを選択する(例:他要去公園散歩)というものです。
この統語プライミング効果を利用して無意識に文章を作成する訓練を積むことで、語学学習における「考える前に自然と話していた」現象が起きるのです。
リーディング能力の向上
聞いた音声をそのままオウム返しする「シャドーイング」でリスニングやスピーキングの能力が鍛えられるのはわかるけど、リーディング能力も鍛えられるのでしょうか??
実は、かなり効果があるのです!!
というのも、シャドーイングは聞いた音から順番に復唱していくことになるので、自然と文章の意味を頭から順番に理解していく訓練になっているのです。
読解問題で時間をかけて読めば理解できるけど、短時間ではなかなかうまく読み切れない。。。
という方、一文一文を「これは○○の構造で、目的語がこれで・・・」なんて作業を頭でやっていませんか?
では、「你好」という言葉ををわざわざ「主語が你で…」と考えたりするでしょうか??おそらくいませんよね。
確かに一つの文章をきちんと読み解いていくことも大切ですが、語学学習では「頭で考えなくても使える文章のストックを増やすこと」も非常に大事。その訓練になるのがシャドーイングなのです。
シャドーイングはわからなくてもとにかく進み続ける力を培ってくれるため、リーディング能力が飛躍的に向上する方法でもあったのです。
オススメのシャドーイング教材は?
さて、ここまでシャドーイングについてその素晴らしさをお話してきましたが、ここからは実際にシャドーイングをしてみましょう。
今回はオススメの教材として、Youtubeのチャンネルを3つご紹介したいと思います。
一条 Yit
最初にご紹介するのは中国の日常の風景を切り取ったショートムービーチャンネル「一条 Yit」です。
このチャンネルの特徴は、映像が綺麗でかつ動画1つ当たりの長さが5分前後ととても短いことです。それでいて、動画の内容はいろいろな職業、地域、バックグラウンドを持った人々のライフスタイルについてなので観ていて飽きません。
例えばこちら。
杭州でグランピングの魅力に取りつかれた夫婦の生活の一部分を切り取っています。
中国のイメージが少し変わりませんか?「あれ、意外と日本と似ているな」と気づかされます。
一方でこんな動画も。
中国大陸の東北地方に住む人々の暮らしが垣間見て、さらに地方の訛りにも触れることができます。
字幕については、まずは何も見ずにシャドーイングの本質は「聞こえた音をそのまま復唱すること」なので、まずは耳慣らしとして何本か動画を見てみてください。きっとお気に入りの動画が見つかるはずです。
二更
次にご紹介するのは「二更」。
二更チャンネルは中国のニューメディアをリードしています。今まで見えていなかった周りの美しさに気付き、世の中の人々の物語や日常生活に関して、短い動画を作っています。人たち、グルメ、素敵なお店、文化やチャリティーとかの話題を探し、人の心を癒します。
というチャンネル概要の通り、このチャンネルでは様々なトピックについて取り扱っています。
今であれば、武漢の新型コロナウィルスの状況を追ったドキュメンタリーを見て関連語彙を増やすのも良いでしょう。
また、息抜きも兼ねてこんなかわいらしい子供の少林寺の様子を見てみるのも面白いかもしれません。
このチャンネルの動画には基本的にすべて字幕が付いています。個人的なおすすめのシャドーイングの仕方は、まずはサムネイルから自分の興味をそそられた動画を選び、動画が始まったらすぐに一時停止をします。そして、動画の概要欄にかなり丁寧にその動画のコンセプトや解説が書かれているのでそれを読んで事前にある程度知識をつけてからシャドーイングをするという方法。まずは動画の音声だけを聞いて試してみてください。
三感故事
每一首音乐,都有你的故事。
このチャンネル「三感故事」では、大きく2つのシリーズから構成されています。
まずは「三感音乐」。様々な歌手の曲をテーマにショートストーリーを演じた動画です。
お気に入りの歌手、曲を見つけたらまずはチェックしてみてください。
もう一つは「Mini Series」。こちらは日常の生活をドラマ仕立てにしたもので、現在は『前方有只独角兽』、『甜蜜配方』の2シリーズがあります。
ショートムービー集なので、1話あたり10分も無いため、中国語でドラマをを使って勉強してみたいけどどれも長すぎてシャドーイングは辛い・・・という方にもぴったりです。
まとめ
以上、今回はシャドーイングで中国語の「リスニング」「スピーキング」「リーディング」能力を一気に向上する方法のご紹介でした。
一気に、と言っても最初は全然できないかもしれません。
ですが、毎日1分でもいいのでコツコツと続けていくと、気づいた時にはこの3つの能力がいつの間にか急成長していることを実感できること間違いなし、です。
お気に入りのチャンネルは見つかりましたか?
まずは動画時間が短いものから、映像が好みのものから、なんとなく惹かれたものから、、、
どんなものでも構いません。
一緒に中国語シャドーイング勉強法を始めてみませんか??
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